WEP059
ポスターセッション① 8月6日 61A 12:40-14:40
KEKにおけるNb3Sn成膜炉の移設および空洞開発の進捗
Relocation of the Nb3Sn Coating Furnace and Progress in Cavity Development at KEK
○井藤 隼人1, 2, 山田 智宏1, 2, 梅森 健成1, 2, 阪井 寛志1, 2(1高エネルギー加速器研究機構, 2総合研究大学院大学)
○Ito Hayato1, 2, Tomohiro Yamada1, 2, Kensei Umemori1, 2, Hiroshi Sakai1, 2(1KEK, 2SOKENDAI)
Nb3SnはNbと比較して約2倍高い転移温度を持つことから、これまでNb空洞が2Kの温度で達成していた高Q値を4Kの温度で実現することができ、液体ヘリウムを用いない伝導冷却での加速器運転を可能とする。また、臨界磁場もNbに比べて約2倍高いため、将来的にはNb空洞の約2倍に達する加速勾配も理論的に可能とされており、次世代超伝導加速空洞の有力な候補材料として注目されている。 KEKでは2019年より、国際的にも標準的手法として用いられている蒸気拡散法に基づいたNb3Sn空洞製造開発を進めている。この手法では、専用の成膜炉を用いて、Nb空洞の内面にNb3Sn膜を形成することで、Nb空洞をNb3Sn空洞へと変換する。KEKはこれまでに、1.3 GHz TESLA型単セル空洞を用いた成膜試験を実施し、膜構造や成膜条件の最適化とともに空洞性能を着実に向上させている。 昨年度、大型成膜炉が設置されている建屋の環境整備に伴い、約1年をかけて本成膜炉の解体・移設・再立ち上げを行った。移設後は炉の安定動作とNb3Sn成膜の再現性を確認するための準備が進められており、今後の本格的な成膜試験再開に向けた体制を整えつつある。 本発表では、成膜炉移設作業の具体的な内容と現在進めているNb3Sn空洞開発の状況について詳細に報告する。