← 2025年の目次へ戻る

WEP017

ポスターセッション① 8月6日 7-1F-A 12:40-14:40

無酸素Pd/Ti蒸着した超高真空チャンバー内の 残留ガス分析
Residual gas analysis in oxygen-free Pd/Ti deposited UHV chamber

○菊地 貴司1, 片岡 竜馬1, 田中 宏和1, 若林 大佑1, 2, 大東 琢治1, 2, 石井 晴乃1, 仁谷 浩明1, 間瀬 一彦1, 21高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所, 2総研大)
○Takashi Kikuchi1, Ryoma Kataoka1, Hirokazu Tanaka1, Daisuke Wakabayashi1, 2, Takuji Ohigashi1, 2, Haruno Ishii1, Hiroaki Nitani1, Kazuhiko Mase1, 21Institute of Materials Structure Science, KEK, 2SOKENDAI)

最近我々は新しい非蒸発型ゲッター(NEG)である無酸素Pd/Tiを開発した。150℃でのベーキング後の室温において、無酸素Pd/Tiの初期排気速度は、H2に対して3.2 L s-1 cm-2、COに対して7.6 L s-1 cm-2である。また、残留炭化水素ガスがPdの触媒作用によりCOやCO2となり、ターボ分子ポンプ(TMP)で排気できる、真空チャンバーや部品からの脱ガスを低減できる、3)NEGポンプの設置スペースが不要である、専用電源や電流フィードスルーが不要である、電源喪失時の安全が確保できる、などの利点を持つ。フォトンファクトリーの新BL-11軟X線ビームラインの第一ミラーテストチャンバー内面に無酸素Pd/Tiを蒸着し、ミラーとミラーホルダーシステムを設置して、90-110℃で52時間ベーキングしたところ、6.9×10-8 Paに到達した。また、TMPをゲートバルブで切り離しても約5×10-7 Paを維持した。これらの結果は、90-110℃のベーキングにより無酸素Pd/Tiが活性化し、残留ガスを排気していることを示している。白色ビーム照射後、M1ミラーにわずかに炭素汚染が観察されたが、白色ビーム照射下でM1チャンバー内に2日間酸素を導入すると、炭素汚染はある程度除去された。無酸素Pd/Ti蒸着M1テストチャンバー内の残留ガスを分析した結果、炭化水素の量は検出限界以下であった。この結果はPdの触媒作用により、チェンバー内の炭化水素が除去されていることを示している。