THP022
ポスターセッション② 8月7日 7-1F-B 13:00-15:00
加速器中性子源の水中ファントム3次元計測
Three-dimensional measurement of underwater phantoms using accelerator neutron sources
○奥野 泰希1, 2, 刀谷 吉徳3, 小林 知洋1, 中山 佳則1, 大竹 淑恵1(1理化学研究所 光量子工学研究センター, 2東北大学, 3豊橋技術科学大学)
○Yasuki Okuno1, 2, YOSHINORI KATANAYA3, Tomohiro Kobayashi1, YOSHINORI NAKAYAMA1, YOSHIE OTAKE1(1RIKEN RAP, 2Tohoku Univ., 3TUT)
BNCT(ホウ素中性子捕捉療法)は、がん細胞に選択的に集積したホウ素薬剤と中性子線を組み合わせることで、正常組織への影響を抑えつつ、がん細胞を破壊する革新的な放射線治療法である。しかし、治療効果は中性子線の空間分布と強く関係しており、治療部位に応じた中性子場の精密な評価技術が求められてきた。従来は金箔による放射化法が用いられていたが、長時間を要するうえ、空間分布の把握には不十分であり、陽子線の制御条件と中性子場の関係性を精密に把握する手段が限られていた。本研究では、HOIP(有機・無機ハイブリッドペロブスカイト)半導体にB-10変換膜を組み合わせた新型中性子センサーを開発し、陽子線の照射条件と中性子場の変動の関係性を、リアルタイムかつ3次元的に可視化可能な評価技術を確立した。このシステムは、従来数時間を要した計測を数十分で完了できる高速性と、高放射線環境下での安定性を両立しており、BNCT治療時の中性子場の定常点検や毎回の評価を可能とする。特に、陽子ビームエネルギーやビームスポットのわずかな変動が中性子場分布に及ぼす影響を逐次的に評価することで、中性子源の品質保証および治療精度の向上に直結する成果を得た。