THP012
ポスターセッション② 8月7日 7-1F-A 13:00-15:00
光導波路による自由電子レーザの伸長抑制
Pulse Stretch Suppression in Free-Electron Laser by using Waveguides
○南野 冠汰1, 坂本 文人2, 林崎 規託1(1科学大, 2秋田高専)
○Kanta Minamino1, Fumito Sakamoto2, Noriyosu Hayashizaki1(1Science Tokyo, 2NIT, Akita College)
自由電子レーザ(Free-Electron Laser : FEL) は波長可変性が最大の特徴で、光科学や原子核物理など様々な分野での応用が期待されている光源である。しかし、FELの光増幅過程では放射光と電子ビームの位相が揃っている必要があるため、周期磁場を通過する電子ビームを放射光が追い越してしまい、パルス幅の伸長が生じる。この現象は時間スリップと呼ばれ、アト秒領域の超短パルスレーザ発振の妨げとなっている。本研究では、放射波長20μmの赤外FEL を対象に時間スリップを極限まで低減させる手法を提案し、その原理をシミュレーションによって実証することを目的とした。この波長帯域におけるFELの最大の利点は優れた時空間コヒーレンスで、特に時間コヒーレンスの改善は、アト秒領域に達する短パルス化や大強度光の実現につながる。本研究では時間スリップを極限まで低減する具体的な手法として、導波路中における光の群速度が自由空間での光速度より遅くなる性質を応用し、放射光の速度と電子ビームの速度を一致させた。また、FEL シミュレーションには世界的に広く用いられているオープンソースコードであるGENESIS1.3を改変して利用し、境界条件を考慮した数値計算を行った。その結果、導波路高さを適切に設定することで、求める放射波長で十分なパルス幅の伸長抑制効果があることを示すことができた。