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THOP01

学会賞受賞講演 8月7日 7号館71A/71B 18:20-18:45

J-PARCミューオンg−2/EDM実験のための低エミッタンスミューオンビーム加速に関する研究
Study of Low-Emittance Muon Beam Acceleration for the J-PARC Muon g−2/EDM Experiment

○鷲見 一路(元名古屋大学(現 株式会社アイシン))
○Kazumichi Sumi(Nagoya University (formerly, now Aisin Corp.))

素粒子標準模型に含まれていない未知の物理現象の兆候は、ミューオン異常磁気能率 (g−2) の予測値と実験値の乖離として現れる可能性がある。また、ミューオン電気双極子能率 (EDM) は、予測値が現在の実験上限値より極めて小さく、観測されれば物質と反物質の対称性を破る未知の相互作用の証拠となる。g−2とEDMは、磁場中に閉じ込めたミューオンのスピン歳差運動の観測から求められるが、先行実験にはミューオンビームのエミッタンスに起因する不確実性が存在する。大強度陽子加速器施設 (J-PARC) では、低エミッタンスミューオンビームを用いて、先行実験とは異なる手法によるg−2測定値の独立な検証およびEDM探索の感度向上を目指している。このミューオンビームの実現には、ミューオンビームの冷却技術とbeta ~ 0.1の低速域からbeta ~ 0.9の高速域までの速度変化に対応するミューオン専用加速器の開発の双方が必要である。低速域については、熱ミューオニウムのレーザー共鳴イオン化によるミューオン冷却と高周波四重極 (RFQ) 線形加速器による初段加速を実証し、エミッタンスを1/100以下に低減した100 keVのミューオンビームを実現した。高速域については、beta = 0.70-0.94のミューオン専用の円盤装荷型進行波加速管 (DLS) の構造設計とビームダイナミクス設計を実施し、試作機の高周波特性が要求精度を満たすことを示した。