THO609
加速器土木・ビームダイナミ 8月7日 6号館61C 17:00-17:20
多価重イオンの大強度ビーム輸送系に対するMulti-Frequency RFQを用いた質量分離法の適用可能性の検討
Study of mass separation in Multi-Frequency RFQ in high-intensity beam transport system for multiply charged heavy ion
○斎藤 誉志大1, 佐藤 洋一2(1総研大, 2KEK)
○Yoshihiro Saito1, Yoichi Sato2(1SOKENDAI, 2KEK)
多価重イオンの大強度ビーム輸送系に対する新たな質量分離法として、Multi-Frequency RFQ (MRFQ)を用いる可能性を検討した。元々、MRFQは理化学研究所SCRIT電子散乱施設における、質量差0.002%の同重核分離を目指して開発され、複数の高周波を加えたRFQにおいてskew電場で和共鳴を誘発し分離を行うという手法である。一方本研究では、MRFQを価数比(M/Q; Mはイオンの質量、Qは電荷である)分離に用いることで、大強度に対する低エネルギービーム輸送ライン(LEBT)の短尺化・小型化への寄与を目指した。想定は0.5 mA程度の大電流、200πmm mradの大エミッタンスを持つ重イオンのLEBTである。イオン源から生じるイオンの価数は一般に単一ではないので、目的のM/Qと異なるものを除く必要がある。この価数分離において従来の手法では分析偏向電磁石を用いるが、ビーム径を抑えるには収束力を持つ磁石端部から焦点距離までのビーム経路を要求する。一方、価数分離にMRFQを用いた場合、MRFQ内では常に4極電場が働くためビーム径は大きく変わらず、余分な経路長は必要ない。またMRFQの分離能力は通過時間で高周波が何周期分進むかで決まるので、周波数を上げれば短尺化も期待できる。本発表ではウラン45価のみを残すΔ(M/Q)2%の分離を目標とし、エミッタンスや、ビームがDCかパルスかという条件でMRFQの分離能力をシミュレーションにより比較検討した結果を示す。特に、skew成分のないMRFQによる1m程度のシステムで十分な分離能力があることを示す。