THO606
加速器制御・真空 8月7日 6号館61C 10:30-10:50
軟X線光電子分光(XPS)および角度分解硬X線光電子分光(HAXPES)による表面部分窒化高純度チタン蒸着膜非蒸発型ゲッターの活性化機構の研究
Activation mechanism of surface partially nitrided high-purity titanium deposited film as a nonevaporable getter (NEG) studied by soft X-ray photoelectron spectroscopy (XPS) and angle-resolved hard X-ray photoelectron spectroscopy (HAXPES)
吉田 圭佑1, 菊地 貴司2, 小澤 健一2, 3, ○間瀬 一彦2, 3, 高木 康多4, 垣内 拓大5, 大野 真也1(1横国大, 2KEK, 3総研大, 4SPring-8/JASRI, 5愛媛大)
Keisuke Yoshida1, Takashi Kikuchi2, Kenichi Ozawa2, 3, ○Kazuhiko Mase2, 3, Yasumasa Takagi4, Takuhiro Kakiuchi5, Shinya Ohno1(1Yokohama National Univ., 2KEK, 3SOKENDAI, 4SPring-8/JASRI, 5Ehime Univ)
非蒸発型ゲッターは、超高真空中で加熱すると活性表面が生成し、室温に戻すと反応性の残留ガスを除去する機能性材料である。最近我々は、高純度Ti蒸着膜の表面を部分的に窒化することで、185°Cで6時間加熱するだけで活性化できることを発見した。この温度は、従来の研究で報告されているTi蒸着膜の活性化温度(350〜400°C)に比べて著しく低いため、高純度のTiと表面の窒化処理が活性化温度を低下させていると考えている。本研究では、排気速度測定、軟X線光電子分光(XPS)、および角度分解型硬X線光電子分光(HAXPES)を用いて表面部分窒化高純度チタン蒸着膜の活性化メカニズムについて研究したので報告する。H₂に対する排気速度の測定結果からは、表面部分的窒化高純度Tiは、180°Cの加熱により活性化されることが示唆された。一方、XPSおよびHAXPES測定では、250℃加熱によって表面酸素原子のごく一部がTiバルク内部に拡散し、470°Cの加熱によって表面酸素原子の大部分がTiバルク内部に拡散することが示された。以上の結果に基づき、我々は以下のような活性化メカニズムを提案した。180°Cでの加熱では、表面の窒素原子付近に存在する酸素原子がTiバルクに拡散し、その拡散経路に沿っての細い酸素欠損サイト列が形成される。室温に戻ると、この細い酸素欠損サイト列を通じてわずかに水素ガスが排気される。450°Cで加熱すると、表面の酸素原子の大部分がTiバルク内に拡散し、表面の広範囲に金属Tiが露出する。室温に戻ると、この金属Ti表面が高い排気速度で反応性の残留ガスを排気する。