FRP073
ポスターセッション③ 8月8日 61B 10:00-12:00
金属円筒パイプの中を運動する低ベータ重荷電粒子に対するビーム診断について
On Beam Diagnostics for a Low-Beta Heavy Charged Particle Moving in a Metallic Cylindrical Pipe
○諏訪田 剛(高エネルギー加速器研究機構)
○Tsuyoshi Suwada(KEK)
加速器においてビーム診断に要求される技術は広範な分野に及ぶ。ビームの電磁場検出に始まり、光放射検出、2次粒子検出、発光検出等、様々な技術が用いられる。ビームの電磁場検出は、最も基本的な診断技術の1つで、ビーム電荷を計測する壁電流モニター(WCM)やビーム位置を計測する位置モニター(BPM)はこの検出技術を応用したものである。
ビーム電磁場の検出技術において、金属円筒パイプの中を運動する荷電粒子が生成する電磁場の相対論的効果は、ビーム診断では基本事項の1つである。金属円筒パイプ中では荷電粒子の電磁場は、ローレンツ変換により軸方向に粒子速度に依存して伸縮する効果である。ビーム診断はこの伸縮の効果を取り入れた設計が要求される。
2002年夏、私はKEKで毎年開催される高エネルギー加速器セミナーにおいて「ビーム計測I」というテーマで講師を務めた。本セミナーではWCMやBPMについて基本的な動作原理を紹介したが、導入のところで取り上げたビーム電磁場の相対論的効果については、当時幾つかのセミナー資料を調べてみたが適当な文献が見当たらず、それでは自分で導出しようと試みたが、結局断念した覚えがある。
今回、この相対論的効果について厳密な導出の必要性に迫られ、当時の私が書いたセミナー資料の補遺という形でまとめたものである。本報告では、特に低ベータ重粒子と相対論的電子に対するビーム診断の差異を論じることにしたい。